シェアハウス問題はなぜ発生したのか

あまり話題になっていませんがシェアハウスを販売していたスマートデイズが民事再生法を申請しました。

基本的な仕組みは大東建託などと同じで、建物を建てさせて一括借り上げするというやり方です。30年間家賃保証みたいなことを言って途中でリフォームを要求したりして追い銭を集金する素敵なシステムですね。どう考えても、あれは利益が出ない仕組みなのでやってはいけない不動産投資の最たるものですが、スマートデイズは更に悪いです。

シェアハウスを建ててしまう!

この一言に尽きますが、シェアハウスというのはキッチンやトイレなどの水周り部分は共用する仕組みです。古い言葉で言うと「長屋」ですね。なんというか、需要が無いから廃れていったものを復活させただけです。シェアハウスという時点でアパートよりも格段に入居者が減るのは理解できるかと思います。水周りを集中できることから建築費は格段に安くすることができます。建物価値がそれを上回る勢いで安いので建築主にとって利益になるのかどうかは微妙ですね。

それでもオーナーにサブリース料が振り込まれている場合はなんとかなっていたのですが、当然のようにサブリース料の支払いは滞ります。スマートデイズの場合は2018年1月からオーナーに対する支払いを止めています。オーナーは資金繰りに追われることになります。スマートデイズに限らず、一部の例外を除いて「不動産投資」というのは自己資金で行うものではなく、銀行融資によって行うものだからです。融資によりレバレッジを効かせることができるので他の投資よりも効率が良いとされています。「金持ち父さん」などの本で不動産投資が持て囃される理由でもありますが、スマートデイズのような問題があると一気に追い詰められる問題もあります。

レバレッジを掛けて投資をするのは危険であるので止めようというのが、本ブログの趣旨でもありますが、人間齢をとると時間を節約しようとして危ない投資に引っ掛かるものです。健康寿命というものがありますからね。投資成果を10年以内などの短い期間で求めようとすると、だいたい失敗します。普通の人にとっては、インデックスファンドで先進国投資が一番無難です。スマートデイズは倒産してしまいましたが、世界の先進国がすべて経済破綻することは、当面ないでしょうから。

本当の黒幕はスルガ銀行

さて、こういう事件は黒幕となる組織があるはずです。よく考えれば判りますが、スマートデイズは大して儲かっていないわけです。オーナーにお金を貸していたわけではないのです。普通の銀行はこんな収益性が皆無の物件に融資を設定したりはしません。普通でない銀行があったわけです。その銀行が「スルガ銀行」なのです。金融庁が4月13日に立ち入り検査をしましたが、そもそもスルガ銀行が融資しなければ被害者たちは救われたのです。

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Posted by @erestage