SASとSATAのハードディスクは何が違うのか解説する
ハードディスクの規格はSASとSATAが存在します。
SATAとSASの歴史的経緯
SATAはSerialATAの略称です。そして、SASはSerial Attached SCSIの略称になります。20年以上前にもハードディスクにはATA規格とSCSI規格で接続する製品に分かれており、SCSIの方が高性能で高品質、高信頼性という高級品扱いになっていました。そのATA規格とSCSI規格の末裔に当たるのがSATAとSASになります。普通に使うパソコンではSATAが使われていますが、業務用サーバなどでは信頼性が高いとされるSASが使われているケースが多いです。
もちろんサーバでもSATAのハードディスクを使うローエンドモデルがあります。性能が良いのにSASが一般に普及しないのはSASのハードディスクが同一容量のSATAハードディスクよりも高価だからです。
SASはSATAよりも性能が良い
高価なSASハードディスクですが、もちろん見合った性能を提供してくれます。SATA3.0は6Gbit/sの速度が出せますが、
SATAで充分な用途もあります
そんなことを言うと全てのサーバはSATAにするべき!みたいな議論になりそうですが、それだけの速度が不要なケースもあります。例えば回線速度が100Mbpsの静的なコンテンツを提供するWebサーバーの場合はSATAでも充分な速度が出るので、SASを導入する必要がありません。データベースサーバであったとしても、相当大規模なシステムでない限りはSATAでも実用的に使えるかもしれません。
SASは普通のマザーボードには接続できません
SASハードディスクを買ってきたとしても、普通のパソコンでは接続できません。マザーボードにSASのインターフェイスが用意されていません。SASのハードディスクを繋ぐためにはインターフェイスカードという製品を追加で購入する必要があるのです。そして、この製品が高いのです。Amazonで軽く検索しても数万円台、高い製品では10万円を普通に超える価格設定がされています。
SSD全盛時代が始まる
ここまで、SASとSATAを比較していましたが、そんな比較を無意味にする可能性を秘めたテクノロジーが開発されました。既に気が付いていると思いますが【SSD】(ソリッドステートドライブ)の登場です。SSDにはSATAで接続する製品もありますが、NVM Express (NVMe)という規格で接続するSSDであれば30Gbit/
導入コストの面でSASを採用する必要性は薄れています
そして、最近のオブジェクトストレージ技術では、普通のハードディスクをソフトウェア的に束ねることで、性能面と耐障害性を追求する流れになってきています。CPUの演算速度が有り余る昨今では、ハード面で性能を追求するよりはソフトウェア面で解決する方が妥当な戦略と言えるでしょう。
まとめ
- ハードディスクにはSASとSATAという規格が存在する。
- SASはSATAよりも速い処理ができるが高価である。
- 安価で高速処理ができるSSDが今後のトレンドになる。