ソーラーパネル接続ケーブルの製作

逆流防止機能を実装

ソーラーパネルを並列接続する上で重要になってくるのは逆流防止機能です。片方のソーラーパネルのみが日陰になった場合、日陰のソーラーパネルの電圧が低下することで、日向のソーラーパネルからの電流が流れ込んでしまいます。その分の電流が本来目的としていたバッテリーの充電や負荷の稼動に活用されなくなってしまうばかりか、電圧によってはソーラーパネルの破損にもつながります。マイナス側のケーブルは単純でしたが、プラスのケーブルの製作にはちょっとした細工が必要になります。

di

そこで逆流防止の機能を実装するのにダイオードという半導体を使用します。このダイオードは片方にしか電流を通さない性質があります。写真の例では右側から左側にしか電流は流れません。逆方向に流そうとしてもダイオードが止めてくれます。これをケーブルの間に入れることで片方にしか電流を通さない素敵なケーブルを作成することができます。

ダイオードですが、10年以上前に購入して未使用であったものを適当にチョイスしてみました。この写真では1N4007という型番のダイオードです。耐電圧は1000V、許容電流は1Aということで、なんとなく電圧的には余裕だと判断していましたが、これは誤りです。許容電流は電圧が何ボルトであっても超えてはいけないのです。今回接続する100Wのソーラーパネルでは余裕で5Aを超えるので、定格を超過した危険な使い方です。下手をすると発火する可能性すらありました。この記事を読まれた方はダイオードの選定には気をつけてください。

di_handa

ハンダ付けをします。安定しないので難しいです。固定用の道具も必要になってきた気配がします。そして、このままだと金属部分が露出しているので複数のケーブルがある場合にショートする可能性が高いです。特に今回は分岐ケーブルに入れているので、すぐ隣にも同じダイオードを付けたケーブルが配置されることになります。ビニルテープで絶縁しても良いですが、プロは熱収縮チューブを使うらしいので、ホームセンターで買ってきました。

netsu

台湾製の熱収縮チューブです。なんとなく中国製よりは安心な気がします。電気を扱うものだけに、いい加減な部品を使うわけにはいきません。ただ、直径3.0mmのチューブにしたのですが、もっと大きいものの方が使いやすかったことに後から気が付きました。5mm以上の熱収縮チューブの購入をお勧めします。

netsu2

ダイオードの上の部分に熱収縮チューブを被せて、ドライヤーで加熱します。だいたい1分くらい掛かるので、熱収縮チューブの電力消費もかなりのものですね。半田ごてで加熱する人も居るみたいですが、良い具合に加熱するのがとても難しいので、ドライヤーでやるのが無難です。錆びても良いものであればお湯にでも付けるのですが、錆びたら困るのでお湯に入れるのは無理があります。

make

最終的に圧着したものが、このケーブルです。オス端子からメス端子にしか電流は流れません。前述の通り、このケーブルは部品の選定に問題があったため、わずか数時間使っただけで、部品交換することになりました。あまり適当に電子部品を選定してはいけないという重大な教訓を与えてくれたダイオード(1N4007)に黙祷。

特集記事

Posted by @erestage