安いガソリンスタンドのガソリンの秘密。
本編
ガソリンの高騰が続く中、格安ガソリンスタンドが人気を集めています。
郊外で見かける、何のブランド表記もついていない謎の店舗です。
公正取引委員会によると日本のガソリンスタンドは
石油元売りのブランドを掲げる系列店(特約店)
無印店
プライベートブランド店
という三種類のガソリンスタンドに分類されます。
日本の石油元売りは5社から3社に統合されています。
出光と統合したシェルなど以前の看板が残っている店舗もあります。
これらの看板のついたスタンドを特約店または系列店と呼びます。
最初に出てきたような、何のロゴマークも掲げていないスタンドは無印スタンド、無印店と分類されています。
最後はプライベートブランドです。
有名な例としてはイオンモールの駐車場にあるペトラスなどがあります。
石油元売りのブランド名ではありませんが、無印スタンドよりは抵抗感が少ないです。
レクサスなど高級車で来店する利用者もチラホラ存在します。
ペトラスと比べると圧倒的に見かける機会は少ないですが、コストコもガソリンの販売で有名です。
こちらは全国に19店舗が営業しています。
さて、プライベートブランドや無印店はどこからガソリンを仕入れているのかという疑問が出てきます。
ペトラスの場合、イオンと三菱商事の合弁会社が運営しています。
また、店舗によっては、三菱商事から仕入れているとの看板があります。
業転玉(ぎょうてんぎょく)という石油元売り会社がノーブランドで商社等に販売するガソリンが存在します。
すべて、特約店で売ればよいのでは?という疑問がでてきますがガソリンの需要が減少しているため、系列の特約店だけでは生産したガソリンを捌ききれません。
ハイブリッド車などの普及、少子高齢化の急速な進展に伴いガソリンの販売量は毎年2~3%ずつ減少しています。
製油所では原油を蒸留することでガソリンなどの石油製品をつくります。
ガソリンの生産量のみを減らすという器用なことはできません。
他の油種であればタンクで保管もできますがガソリンは揮発性が高く、大量貯蔵はリスクを伴います。
製油所としては、早めに出荷してしまいたい製品です。
このような背景から業転玉は存在しています。
業転玉の対義語として系列玉が存在します。
系列店に流通する製品を【系列玉】と呼びます。
業転玉はノーブランドであるため、系列玉より安価です。
その価格差は3円から8円程度存在します。
業転玉は系列店から不満が出ることを防ぐため意図的にブランド名を消しています。
系列店のオーナーからすると、近所の無印スタンドが同じガソリンを安く仕入れていたら納得できません。
系列玉にもメリットはあります。
元売りが品質を保証しているという前提のもと品質分析を 10日に1回 から 年1回 に減らすことが許されています。
プライベートブランド店、無印店は10日に1回の品質分析が必要です。
販売されているガソリンの品質は外部の分析機関によって確認されています。
格安で販売されているガソリンは大丈夫なのか?という最初の疑問の結論を出します。
系列玉と業転玉は製油所では同じように製造されています。
流通経路が異なるだけでありプライベートブランドや無印店で給油しても問題はありません。
業転玉の場合、元々どこの製油所で作られた石油製品かはわかりません。
いろいろと混ざって販売されるケースもある。
添加物の多いハイオクガソリンでは避けるべきとの意見も過去にはありました。
しかし、ハイオクガソリンについては
系列玉であっても、元売りが混合した状態で出荷している事実が明るみになっています。
従って、こちらについても現在はほとんど問題にはなりません。
動画はこちら
まとめ
- 格安ガソリンスタンドの人気が高まっています。
- ブランド付きのスタンドより数円程度安く給油できる。
- 一見怪しげな無印店でも、販売されている石油製品の品質は検査されており問題ありません。